消費税インボイス制度~インボイス発行事業者に課せられる「交付したインボイスの写しの保存義務」について

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。
本日はひさびさのインボイスについて。
インボイス制度開始後は、事業者はインボイスの保存がないと仕入税額控除ができないのですが、実は、発行事業者側も発行したインボイスの写しを保管しておかなければいけません。
これまでは売上の請求書の控えなどは所得税法や法人税法で保存義務がありましたが、今回、「適格請求書を交付した適格請求書発行事業者は、これらの書類の写しを保存しなければならない」との条文が消費税法に追加されたのです。
交付したインボイスの写しとは?
毎回インボイス交付のたびに写しをとるのはかなり負担が大きい。
でも大丈夫です。国税庁の解説によれば、交付したインボイスの写しとは、交付した書類そのものの写しに限られず、「その交付したインボイスの記載事項が確認できる程度の記載がされているものを含む」とされています。
要するに請求書の控えをとっておけばいいということですね。
手書きの請求書を使用する事業者は、登録番号を押印して対応する場合がほとんどだと思います。
その場合、控えにも押印する必要があるかについては、上述の国税庁の解説とインボイスの取り扱いからすれば不要(控え+登録通知で記載事項が確認できるので)と考えますが、念のため制度開始までには税務署に確認します。
その他の交付したインボイスの写し
レジのレシートをインボイスとして交付する場合はレジジャーナルの保存、パソコンで請求書を作成している場合は印刷した控え又は請求書の電子データが該当することになります。
電子データのまま保存する場合には、検索機能の確保などの電子帳簿保存法の要件を満たす必要がありますが、書類の保管が不要になることを考えればとても便利です。
→電子帳簿保存法についての過去記事はこちら
インボイスマスターへの道
新たな緩和措置とかいろいろ出てきてインボイスマスターへの道はなかなか険しいです。

《インボイス制度関係の過去記事まとめ》
インボイスを発行できない個人から仕入れを行う業種はどうする?
仕入先が免税事業者ではなかったことが請求段階で判明した場合に消費税相当額を支払わないことは可能か?