個人事業者の納税地の異動があった場合に届出が不要となった件について国税OB税理士が解説

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。
これまで個人事業者が引っ越しなどにより納税地の異動・変更をした場合、「異動届出書」を税務署に提出する必要がありましたが、本年1月1日以降はこれが不要となりました。
納税地の異動等の手続の見直しについての概要
(変更前)
異動前の税務署に「納税地異動届出書」の提出が必要
(変更後)
確定申告書に異動後の住所を記載するだけ
申請手続きの簡素化のための手続きであり、今後は、確定申告書に記載されている住所欄の情報をもって納税地が確認され、税務署からの通知等がその納税地に届かない場合は市役所等へ照会して住民票から納税地を確認し、情報連携が図られるとのこと。
いままでもそのように情報共有されていたのはずなのに遅すぎですね。
まあ、数年前までは、税務署管轄をまたぐ納税地異動があれば、異動前と異動後の両方の税務署に届出が必要とされていたことに比べれば役所もだいぶ効率化をすすめているということでしょうか。
振替納税の継続はどうする?
(変更前)
異動届出書の提出の際に振替納税を引き続き希望する欄に記載
(変更後)
確定申告書別表一の住所記載欄の下の方にある「振替継続希望」に〇

ちなみに確定申告で納付が発生しなかったり税金が還付になる場合についても、今後振替納税の継続を希望する場合にはここに○を記入します。
さいごに
今回の改正は、国がすすめる行政手続きのデジタル化の一環で、デジタル化の原則の一つである「ワンスオンリー」の徹底ということです。
ワンスオンリーとは、一度提出した情報は、二度提出することを不要とすることを意味しています。この原則は、国民や民間事業者が提供した情報(氏名や登記情報など)については、行政機関同士が連携し確認することによって、国民や民間事業者の負担を軽減するというもの。
確定申告書を見ても、今回の「振替納税希望欄」だけでなく、マイナカードと公金受取口座を紐づけた場合の「公金受取口座の利用欄」が追加されているなど、申告書や届出書のデジタル化簡略化は一層進んでいくことが見込まれます。
法人の異動届出書も早く不要にしてくれ。