特定口座(源泉徴収あり)での株式の譲渡所得や配当金にかかった住民税はふるさと納税の対象になりますか?

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。
最近「特定口座(源泉徴収あり)での株式の譲渡所得や配当金にかかった住民税はふるさと納税の対象になりますか?」という質問を受ける機会が複数回ありました。
結論としては、特定口座で源泉徴収された株や配当に対する住民税についてはふるさと納税の対象になりませんが、確定申告することで対象とすることもできます。
ただし、平均的な収入の人であれば、特定口座(源泉徴収あり)での株や配当金にかかった住民税についてふるさと納税でお得になることはないしょう。
なぜおとくにならないのか
特定口座(源泉徴収あり)内での配当金等についてふるさと納税の対象にするには、本来不要な確定申告を行う必要があります。
すると、税額はすでに源泉徴収されているので納税は発生しませんが、配当金等の収入が本人の所得金額として「おもて」に出てくることになります。
所得金額が増えると、税法上の各種控除の適用除外になったり、国民健康保険料や高齢者の医療窓口負担割合が増えたりいろんなデメリットが。
→ 過去記事(節税策のつもりが思わぬ損に?「合計所得金額」を参照する所得制限に注意)はこちら
配当金を100万円申告したとしてもお得になるのはわずか3千円(0.3%)であることを考えると、リスクをあれこれ考える手間と見合いません。(100万円×住民税率5%×ふるさと納税対象20%×返礼割合30%)
おとくになる場合
例外はもちろんあります。
総所得金額2500万円以上くらいの高所得者であれば、そもそも基礎控除や住宅ローン控除すら圏外ですし、国民健康保険も上限振り切ってて関係ありません。
配当等の資産所得もけた違いな場合が多いでしょうから、ふるさと納税で受ける恩恵もかなり大きなものになりますね。
ふるさと納税については、返礼品過剰戦争とか金持ち優遇とかいろいろな意見がありますが、返礼品の分だけその地方の経済が回って、ひいては日本全体の経済活性化につながっていることは少なからず事実でしょうし、個人的には、高所得者の人はふだん各種恩恵が受けられないうっぷんをはらすかのようにがっつりとふるさと納税やってもらいたい。