消費税インボイス制度開始後における帳簿の記載の仕方

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。
インボイス制度開始後は、消費税の仕入税額控除を受けるためには適格請求書(インボイス)の保存が必要になりますが、一定事項を記載した帳簿の保存も必要です。
この帳簿の記載事項についてはインボイス導入前後で変わりがない(制度導入後も相手方の登録番号の記載は不要)ので特に問題はないのですが、一部例外もあります。
帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる一定の場合
例えば、3万円未満の鉄道料金や自動販売機での商品購入、従業員等に旅費や日当を支払った、など一定の場合には、インボイスは不要で帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められる例外規定があります。
この場合、これまでどおりの記載事項に加えて、①帳簿のみ保存で認められる旨、②相手方の住所等(鉄道料金等一定の場合を除く)を追加で記載する必要あり。
具体的には帳簿の摘要欄に「3万円未満の鉄道料金」、「○○市自販機」、「○○銀行○○支店ATM」などと記載します。
免税業者からの仕入れに係る経過措置を受ける場合
インボイス登録事業者以外からの仕入れについても、令和5年10月以降の3年間は8割、その後3年間は5割を仕入税額控除できる経過措置についても同様です。
この場合には、これまでどおりの(インボイスではない)請求書保存と帳簿の記載保存に加えて、「80%控除対象」とか「免税事業者からの仕入れ」といった内容を帳簿に記載する必要があります。
ついでに
この仕入税額控除の要件である請求書と帳簿の保存。
ただ保存しておけば良いというわけではなく、税務調査の際にはきちんと調査官に提示することまで含めての保存をいうものとされています。
調査の際に帳簿等を提示せず、後日裁判等で争いになってから提出しても認められないのです。
多額の追徴課税を受けないように、きちんと法律の要件に沿った形での保存を行い、調査等の際には適切に対応できるように準備しておきましょう。