雑損控除について

確定申告本番が近づきあわただしくなってきました。
今回も確定申告ねたをお送りします。
申告することで節税できる控除項目の一つに雑損控除があります。
台風や地震などで自宅が損害を受けたような場合に適用されるのが有名ですが、それ以外にもあります。
雑損控除の対象となる資産とは
対象となる資産は、「事業用の資産(棚卸資産、固定資産)または生活に通常必要でない資産以外の資産」です。
自宅はもちろん現金も対象となりますが、別荘や30万円を超えるような宝石や絵画等は対象外。
雑損控除の対象となる損害の要因とは
損害の要因は以下に限られます。
(1)震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
(2)火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
(3)害虫などの生物による異常な災害
(4)盗難
(5)横領
なお、横領は対象になるのですが、詐欺や恐喝は対象外なので注意です。
具体例
①10年前に建築して住んでいた家が雨漏りしてきたので200万円払って修理した。
→自然災害ではないので対象外。
②7年前に建築して住んでいた家にシロアリがでたので駆除費用30万円、補修費用20万円、予防工事費用50万円を支払った。
→ 駆除、補修費用は「害虫などによる~」に該当するため対象、予防工事費用については対象外。
③地面師グループによって所有する土地の権利証が偽造され、自分の土地を他人に売買されてしまったたため、裁判をおこし、弁護士費用等の訴訟費用100万円を支払った。
→不動産の侵奪は詐欺ではなく窃盗の一種と考えられるので「盗難」による損害として対象になる。
まとめ
雑損控除も医療費控除等と同じく、その人の1年間の特殊事情を表明して、課税される税金を減らしたり還付を受けたりすることができるしくみです。
確定申告がその事情を表明できる唯一の機会ですので、適用される控除がある場合には余すところなく活用しましょう。
なお、雑損控除については、損失が大きくて単年の所得金額から控除しきれない場合には3年間繰り越すこともできます。