ユーチューバーが確定申告せずに追徴課税を受けたというNEWSについて国税OB税理士が解説

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。

インフルエンサーの次はユーチューバーの無申告ですか。

動画をユーチューブに投稿し、その報酬などとして約3600万円を得ていた男性が、確定申告をしていなかったとして国税局から税務調査を受け、重加算税を含む700万円の追徴課税を受けたとのこと。

無申告に対する税務調査で申告が必要となった場合には、本税の他に無申告加算税15%(通常の申告もれに対する過少申告加算税10%よりやや重い)が課せられます。

しかし、その無申告が意図的であった=仮装・隠ぺい行為があった場合には、この無申告加算税の代わりに45%の重加算税が課せられることに。

 仮装=偽りの外注費の請求書を相手方と共謀して作成して架空外注費を計上するなど。

 隠ぺい=代金を簿外口座に振り込ませ、証拠書類は破棄するなどして売上を除外するなど。

過少申告に対する仮装、隠ぺい行為は比較的わかりやすいのですが、無申告になると認定がとても難しくなります。

なぜなら「申告の必要性を認識していながら意図的に申告しなかった」という納税者の内面の意思を税務当局側が立証しなければならないからです。

数年前に某お笑い芸人さんの関係法人の無申告が話題になりましたが、億単位の無申告にもかかわらず重加算税の対象とされていませんでした(一部個人的経費の漬け込みで重加算税の部分はありましたが)。

今回のユーチューバーも、最初は「確定申告が必要なことを知らなかった」という趣旨の説明をしていたというので、重加算税の賦課要件をよく勉強していてなんとか重加算税だけでも免れようとした感じですね。

しかし、今回の国税局は一味違いました。

さらに調査を進めた国税局が、このユーチューバーが「税務調査を受けた場合にどう対応するか」という内容の動画を視聴していたという事実を突き止め、さらに追及をしたところ、意図的に申告をしなかったことを認めたとのこと。

動画視聴履歴が裁判でも勝てる証拠かどうかは別にしても、ここまでするの?というくらいの徹底的な調査が行われただろうことは容易に想像できます。

国税局のこわもて調査官から、「こんな動画見て申告の必要性認識してるよね?」と厳しく問い詰められて、「すみません。所得の存在を知りながら、税金を払うのが嫌で意図的に申告しませんでした」と言って(言わされて)しまったのでしょうね。

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