税務署の特別調査とは

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。
以前、「税務調査を拒否したらどうなる?」という記事で、税務調査の強制調査と任意調査について触れました。
税務署の税務調査はすべて任意調査ですが、その中でも、ほとんどの納税者が対象になるであろう一般調査とは別に、特別調査というものがあります。
特別調査とは
特別調査とは、多額の不正所得が見込まれる納税者に対して、特別調査担当部門(特調:トクチョウ)が行う調査です。
特調部門には、税務署の中でも特に調査能力が優れた調査官が配置されることが多く、最低でも二人以上で時間をかけた深度ある調査が実施されます。
また無通知の現況調査で実施されることも多いです。
一般調査では準備調査からまとめまで6~8日かかるのに対して、特別調査ではその5倍かかることも少なくありません。
入念な準備調査から始まり、反面調査や銀行調査などを徹底的にやって不正の全容を解明します。
そのため、調査1件あたりの不正所得や増差所得の大きさは一般調査の比ではなく、税務署に数人しかいない特調部門の成績がその税務署の成績に直結するので、責任も重大です。
花形部門である一方で、数字が出ないような場合には風当たりはかなりきつくなります。
私も税務署の特調部門の統括官を経験しましたが、数字が芳しくない中で国税局での特調担当部門会議に出席しなければいけない時は本当に憂鬱でした。
(おまけ)特別国税調査官とは
税務署調査部門の職名の中に、特別国税調査官(特官:トッカン)というのがあります。
こちらは、税務署所管法人の中でも主に大規模法人の調査を担当しています。
ベテランと若手の調査官ペアで、1週間とか比較的長期間の調査を行なうのが特徴です。
一概にはいえませんが、売上10億円以上とかだと特官が調査にやってくる可能性が高いかも。