高層マンションの相続税評価額の見直しについて

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。

マンションの相続税評価額と市場価格(時価)の乖離問題。

令和5年税制改正大綱において、見直しに向けて議論を開始することが盛り込まれ、現在、国税庁の有識者会議で議論が行われています。

マンション(特にタワーマンション)の相続税評価額と市場価格の乖離を利用して相続税を免れるスキームへの対策です。

タワマン節税の事例(実例をもとにしたフィクション)

90歳を超え15億円もの預貯金を有する被相続人Aは、相続税対策のために、10億円のタワマン2棟を全額銀行借入で購入

・間もなく相続が発生し、相続人Bは相続したタワマンを直ちに20億円で売却し、銀行借入を返済。

・BがAから相続した財産の相続税評価額は、タワマンが2棟で5億円+その他預貯金が15億円であったが、銀行借入債務が20億円あるので相続税は0となった

※タワマンの購入がなければ、相続財産は15億円の預貯金であり、これに対して最大55%の相続税がかかっていた。

短期的にマンションを銀行借入で売買するだけで、数億円の相続税を合法的に回避できるという。

上の事例では、銀行からの借入の稟議書に「相続対策のため」と記載があったことや、相続発生後相続税の申告期限までにマンションを売却していること、回避された相続税が大きいことなどから、国税が「著しく不適当」として否認し、最高裁でも国税側勝利となりましたが、ほとんどのタワマン節税は見逃されてきているのが現状です。

今後の相続税の税制改正では、マンションについては、築年数、総階数、所在階なども考慮した評価額になるようなしくみが導入されると見込まれます。

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