現預金は元本割れのない安全資産は本当か?

こんにちは、長野県須坂市の植木税理士事務所です。
貯蓄から投資への流れを受け、税務面でも来年から新型NISAが開始するなど投資環境の整備が進んでいます。
一般的には、NISAやiDeCoなどをバランスよく利用して、節税と資産形成を同時に進めていくことが望ましいとされますが、こういう話をすると、いまだに「でも元本割れリスクが少しでもあるのは怖い。利息ほぼ0でも元本保証される現預金が安全でいい」という人を見かけます。
確かに預貯金はペイオフにより1000万円までは元本保証されますが、NISAやiDeCoなどで前提とする20年30年の長期資産運用を考えると、預貯金は元本割れがない安全資産とはいえません。
物価上昇による現金価値の目減りリスクがあるからです。
過去を見ても長い目で見れば確実に物価は上昇しています。失われた時代と言われ長らくデフレが続いた平成以降を見ても、物価は2割上昇したと言われています。対して預貯金の利率はまったく上昇していません。
昔1000万円だったものを、今になって同じものを買おうとすれば1200万円必要。ということは昔に1000万円預けた預貯金は今1200万円になっていて始めて元本が維持されたということ。
元本保証で安全だからと思って30年前に設定した預金は、知らぬ間にかなりの目減り(元本割れ)をしていたということになります。預貯金だけでなく、学資保険などの保険商品も同じ。
もちろん、必要な時にいつでも使えるという流動性の面では現預金が一番なのは確かですが、長期的な準備が必要な教育、住宅、老後資金については、NISAやiDeCoなどのツールを効果的に使って上手に資産形成していくことが必要だということですね。