住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税は今年限り?

こんにちは、長野県須坂市の植木税務会計事務所です。
一定額以上の財産の贈与には贈与税がかかり、これは親から子への場合も同様です。
しかし、高齢となった親世代の保有する財産を、現役である子世代により早期に移転させ、その財産の有効活用を通じて「成長と富の創出の好循環」につなげることを目的として、親子間贈与についてはいくつかの特例が用意されています。
- 教育資金 → 1500万円まで
- 結婚・子育て資金 → 1000万円まで
- 住宅取得資金 → 500万又は1000万円まで
などなど。
このうち、教育資金と結婚子育て資金については令和5年度税制改正で2年間の延長が手当てされたのですが、住宅取得資金については延長されなかったことから、「住宅購入目的での贈与税非課税枠は本年末をもって終了する公算が高まった」とする論調が多く見られます。
住宅メーカーの営業担当者であれば、当然にこれを強く主張して、駆け込みでの住宅建築をおすすめするポイントにもなりそうですが、実際のところはどうなのか。
本当に今年限り?
教育資金と結婚子育て資金の特例については、前回は令和3年度の税制改正に2年間の延長が盛り込まれました(適用期限は令和5年3月31日まで)。
対して住宅取得資金の特例の方は令和4年度の税制改正に2年間の延長が盛り込まれています(適用期限は令和5年12月31日まで)。
なので、タイミング的には、住宅取得資金の特例の延長については、今年末に発表される令和6年度の税制改正大綱に盛り込まれるのが自然です。
どちらかといえば金持ち優遇(富の固定化を招く)と批判されるのは教育資金と結婚子育て資金の方であり、住宅取得資金の特例の方が、本来の政策目的に適っているのではないかなと思います。
そういった意味でも、次の税制改正で住宅取得資金の特例は延長されるのではないかなと個人的には思う次第。
延長されなかったとしても
令和5年度の税制改正で、相続時精算課税制度がとても使いやすくなりました。
住宅取得資金の贈与特例が延長されなかったとしても、十分にこちらで代用できるようになっています。