印紙税は税務調査の対象になるのか?

こんにちは、須坂市の植木税務会計事務所の税理士の植木です。
会社に関係する税金として、法人税や消費税の他に、印紙税があります。
印紙税は、契約書や領収証等の印紙税法上の課税文書を作成した場合に課せられる税金で、一般的には収入印紙を貼付して消印することで納税します。
この印紙税も国税ですので税務署の所管になるのですが、税務調査はどのように行われるのでしょうか?
一般調査の場合、法人税や消費税と同時に印紙税も調査対象となる。
会社に税務調査がある場合には、原則として事前通知があり、税目や対象期間などが通知されます。
その際には、例えば税目と対象期間について「法人税、地方法人税、消費税、地方消費税、源泉所得税について3年分調査します」と言われますが、印紙税については事前通知されません。
しかし、税務署の職員は印紙税に対する質問検査権ももっているため、会社で法人税調査を行っている最中に、印紙の貼られていない契約書などを見つけたら、その場で印紙税の調査が行われることになります。
(税務調査では税務職員は質問検査証を提示してくれますのでその時によく見せてもらうと、小さい字で「法人税、消費税、・・・印紙税に対する質問検査権」と記載があります)
税務調査で印紙の貼り忘れを指摘されると、1.1倍の過怠税が課せられることになり、この過怠税は会社の損金に算入できません。
10万円の印紙が必要な不動産売買契約書の印紙を貼り忘れていた場合、もともと貼っていれば10万円は会社の損金になるところ、調査で指摘された場合には1.1倍された11万円の追徴課税が発生し、その全額が損金になりませんので、かなりの痛手ということです。
もし調査で指摘されて納付した過怠税を誤って会社の損金にしてしまうと、次の調査で今度は法人税の非違としてまたまた追徴課税されるという憂き目にあってしまいます。
印紙税だけの調査もある
県庁所在地の税務署には間接諸税専担部門が配置されており、印紙税だけに特化した調査を行なっています。
多くの課税文書を作成するような規模の大きな会社が対象になります。
印紙の貼り忘れがないように日頃から注意しましょう
「前回の調査で印紙の指摘は受けなかった」という会社も油断は禁物です。
たまたま前回の調査担当者が印紙税の調査まで手が回らなかった可能性もあります。
会社で作成する文書については定期的に課税文書に該当するかの判定を行い、課税文書に該当する場合には印紙の貼り忘れが発生しないようなしくみ作りをすることが重要です。