「赤字法人には税務調査が入らない」は本当かについて国税OB税理士がお答えします。

こんにちは、植木税務会計事務所です。

今回は「赤字の法人には税務調査が入らないって本当?」について。

確かに税務署は税金をとることを至上命題にしているので(本当の国税庁の使命は「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」です。)、赤字法人に税務調査は入りにくいのは一定の事実。

しかし、例外ももちろんあります。

①なにかしらの情報がある場合

赤字を埋めるだけのなにかしらの情報を持っているような場合は当然に調査対象になります。

もっている情報の真偽を確かめるためだけの調査の可能性もあるので、実際にやましいことがなければ心配ないでしょう。

むこうも情報がからぶりだと確認できればすぐに帰ります。

②ぎりぎりの赤字の場合

ちょっとした指摘事項があればすぐに黒字になるくらいの赤字なら、まったく問題なく調査対象になります。

赤字から黒字になるタイミングは「有転(ゆうてん)」(有所得に転じる)といって調査選定されやすいタイミングといえます。

黒字(=税金がかかる)にならないように所得を調整するインセンティブが働きやすいと考えられるためです。

③消費税主眼の調査の場合

最近の増税などを契機に消費税の不正還付事件が増加し、消費税に対する国民の目が一層厳しくなっていることから、赤字法人でも消費税に主眼を置いた調査が行われる可能性は高まっているといえるでしょう。

消費税なら、指摘事項があれば赤字法人でも関係なく追徴課税が発生するので。

特に輸出免税業者や設備投資などにより消費税も赤字(還付)の法人は調査の可能性も高まります。

結論

昨今は、赤字だというだけでは税務調査が入らない理由にはなりません。

いつ税務調査が入ってもあわてないように日ごろからきちんとした経理処理を心掛ける必要がありますね。

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