103万円の壁とか130万円の壁とか

こんにちは、植木税務会計事務所です。

あっという間に今年もあと2カ月。

このくらいの時期になると、配偶者の扶養範囲内で働くために、労働時間の調整に頭を悩ませる方やその雇い主の方も結構いるのでは?

配偶者の扶養範囲の関係で、「103万円とか130万円とかいろいろあるけど結局いくらまでOKなの?」と聞かれることが結構あります。

良い機会なので一度整理してみました。

以下では、平均的な収入のある配偶者の扶養範囲内でパートで働く人の場合を想定しています。

自分の収入に税金がかかるかどうかの壁(100万円、103万円の壁)

自分の収入には所得金額に応じて所得税(5%~45%)と住民税(10%+約5000円)がかかります。

パート等の場合の収入は給与所得となり、収入額から給与所得控除(最低55万円)を引いたものが所得金額になります。また、税額の計算にあたっては、この所得金額からさらに基礎控除48万円が差し引かれます。

収入が103万円までの場合、

収入103万円-給与所得控除55万円-基礎控除48万円=0

となり、所得税は発生しないことになります。

収入が104万円だと、

収入104万円-給与所得控除55万円-基礎控除48万円=1万円

となり、所得税が発生することから、この103万円は自身の収入に所得税がかかるかどうかの壁ということができます。

住民税の場合は基礎控除が43万円ですので、同じように計算すると100万円までは税金が発生しないので、100万円は自身の収入に住民税がかかるかどうかの壁ということがわかります。

社会保険料を支払うことになるかどうかの壁(106万円、130万円の壁)

社会保険に加入している会社員の配偶者(年収130万円未満)は、社会保険上の扶養者となることで健康保険や年金を納める必要がありません。

これにより、自身の収入から社会保険料を負担するかどうかの壁が130万円となります。

これは、1月から12月までの収入合計ではなく、ある一定の時点から将来1年間の見込み収入で判定されるため、例えば、月給が100000円から昇給で110000円になった場合にはその昇給時点で配偶者の社会保険の扶養対象からはずれることになるので注意が必要です。

このような場合に配偶者の扶養となっている保険証を普通に使っていると、後から遡って扶養認定が取り消されそれまでに受診した診療費の10割負担で請求される可能性もあるので怖いところです。

この社会保険の壁については、年収130万円というだけではなく、月収108000円の壁として意識する必要があります。(通勤手当も含まれることに注意

また、パートであっても社会保険に加入しなければならない勤務先も多くなってきており、そのような場合は、月収88000円(年収106万円)で収入から社会保険料を負担することになる壁が出てきます。

配偶者の税金を計算する上での所得控除の対象になるかどうかの壁(103万円~201万円の壁)

最後に、自分の夫または妻が、配偶者控除と配偶者特別控除を受けることができるかどうかの壁です。

自分の給与収入ー給与所得控除が48万円以下であれば、その配偶者は税金の計算において38万円の配偶者控除を受けることができます。

収入103万円であれば、給与所得控除55万円を引いて48万円になりますので、自分の配偶者が配偶者控除を受けることができるかどうかの壁が103万円です。

また、配偶者控除を受けられない収入103万円以上の場合でも、収入201万円までは収入金額に応じた配偶者特別控除を受けることができるので、201万円が配偶者特別控除を受けることができるかどうかの壁と言われます。

まとめ

壁がたくさんあって疲れました。

壁と言うとすごくマイナスのイメージで、事実いろいろな議論があって、このような壁もどんどんなくなっていくのでしょう。

ただ現時点では、自分の状況に応じて壁を超える超えないを賢く選択するのが吉ですね。

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