消費税インボイス制度~仕入先が免税事業者ではなかったことが請求段階で判明した場合に消費税相当額を支払わないことは可能か?

こんにちは、須坂市の植木税務会計事務所です。
2022年のユーキャン新語・流行語大賞に「インボイス制度」がノミネートされたとか。
政府が「我々はきちんと広報活動やっていますよ」というために根回ししたのか?
ともあれ、来年10月1日の制度開始は着実にせまっています。
そこで本日は、「下請けである仕入先が課税事業者ではなかったことが請求を受けた段階で判明した場合、消費税相当額の支払いを拒絶できるか」について。

まいど。製品納入完了しました。これ請求書です。

本体100万円+消費税10万円の合計110万円。
あれ、請求書に登録番号の記載がないですよ?

うち免税事業者なもので。でもこっちの原価にも消費税かかってるんで請求にはのせてます。

免税事業者だとこちらは仕入税額控除できないので消費税分は払えません。(そもそも免税事業者に消費税払う必要ないし)本体価格の100万円をお支払いしますね。そうでなければ返品します。

そんなあ。

事業者(買手)が免税事業者である仕入先に対して、仕入先の責めに帰すべき理由がないのに、発注時に定めた下請代金の額を減じた場合には下請法で禁止される下請代金の減額として問題になる可能性があります。また、返品等の受領拒否も優越的地位の濫用や下請法違反の可能性があります。
仕入先が免税事業者であることは責めに帰すべき理由には当たりません。

どうすれば良かったのでしょう。

免税事業者との取引にあたっては事前に消費税の負担方法等についてよく話し合っておく必要があります。その際には、免税事業者でも仕入れの消費税を負担していることや、インボイス制度開始後6年間は免税事業者からの仕入れについても部分的に仕入税額控除が可能な点も考慮に入れることも必要です。
免税事業者が消費税を請求すること自体は禁止されていませんし、仕入先にとってはなかなか悩ましい問題ですね。
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