10月決算法人は税務調査が入る可能性が低いは本当かについて国税OB税理士が解説
こんにちは、長野県須坂市の植木税務会計事務所です。
法人は10月決算にしておくと税務調査が入る可能性が低くなると言ううわさがあるらしい。
その理由としては、
10月決算の申告書が提出されるのが12月末、
→内容を検討して調査選定されるのが1月末くらい、
→2~3月は個人の確定申告期間のため調査できない、
→4月~5月はもっとも件数の多い3月決算法人の処理に忙殺されて調査できない、
→6月は税務署の事務年度末で7月から異動期をはさんで新規体制となるので結局調査は行われない、
というものです。
本当のところはどうなのでしょうか。
まず、実際の申告時期や個人の確定申告の時期もあり、10月決算法人だと、調査に入る時期は4月以降になる可能性が高いことは間違いありません。
ただ、「4月~5月はもっとも件数の多い3月決算法人の処理に忙殺されて調査できない」は明らかな誤りで、今は申告書の事務的な処理は管理運営部門が行うといった分業体制が確立されていることや、その後の選定作業は実際に調査に赴く実働部隊の調査官クラスではなく統括官クラスが行うこともあり、4月~5月は調査最盛期の一つとさえ言えます。
また、この4月~5月は調査最盛期でありながら、調査先候補である「タマ」不足になりがちな時期なので、タマが豊富な9月~11月の調査最盛期であれば見逃されるようなものでも調査先として選定される可能性が高くなります。
ということで、(あくまでも個人的な考えでの)検証の結果「10月決算法人は税務調査が入る可能性が低いは事実と異なる」となりました。
そもそも10月決算法人は全体数が少ないので、税務調査が少ないと感じるのがうわさの一因かもしれませんね。